反り腰なのに、お腹が出る理由。|MAI’s Beauty Anatomy #03

BEAUTY ANATOMY

反り腰なのに、お腹が出る理由。

Why Does Your Belly Stick Out with an Arched Back?

MAI’s Beauty Anatomy by Freesia

理学療法士が教える、美しくなる身体の教科書
A Physical Therapist’s Guide to a Beautiful Body

Evidence-Based • Posture • Anatomy • Women’s Health
科学的根拠・姿勢・解剖学・ウィメンズヘルス

01|「腹筋をしているのに、お腹が前に出て見える…」

体重はそれほど増えていないのに、横から見るとお腹がぽっこり。

姿勢を良くしようと胸を張ると、むしろ腰の反りが強くなって、お腹が前に出て見える。

「腹筋が足りないのかな?」

そう思って、腹筋運動を増やしている方もいるかもしれません。

でも、お腹の見え方を決めているのは、脂肪や腹筋の強さだけではありません。

骨盤・腰椎・胸郭、そして呼吸。

これらの位置関係によっても、身体のシルエットは変わります。

だから、

「ぽっこりお腹=腹筋不足」

と単純に考えるのではなく、まずは身体全体のバランスを見てみましょう。

02|身体では何が起きている?

一般に「反り腰」と呼ばれている姿勢では、腰椎の前弯や骨盤の傾きなどが関係していることがあります。

ここで知ってほしいのが、

腰椎 × 骨盤 × 胸郭

の関係です。

骨盤が前方へ傾く骨盤前傾では、腰椎の前弯が大きくなる傾向があります。

ただし、

骨盤前傾=必ず反り腰

というわけではありません。

骨盤の角度には個人差があり、立っているときの腰椎前弯も、骨盤だけではなく身体全体の位置関係によって変わります。

お腹には「腹直筋」以外にも筋肉があります

「お腹を引き締める」と聞くと、いわゆるシックスパックをつくる腹直筋を思い浮かべる方が多いかもしれません。

でも腹部には、

腹直筋
外腹斜筋
内腹斜筋
腹横筋

など、複数の筋肉があります。

これらは単に身体を曲げるだけではなく、体幹の安定や呼吸、腹腔内圧の調整にも関わっています。

さらに上には横隔膜、下には骨盤底筋群があります。

つまり体幹は、

横隔膜・腹部の筋肉・背部の筋肉・骨盤底筋

などが協調して働くことで支えられています。

お腹だけを単独で考えるより、

「体幹全体でどう支えているか」

を見ることが大切です。

「胸を張る」が反り腰を強くすることも

姿勢を良くしようとして、

胸を張る。
肩を後ろへ引く。
お腹を強くへこませる。

これを無意識に行っていませんか?

胸郭を必要以上に前上方へ持ち上げると、腰椎を伸展させて姿勢をつくる場合があります。

すると横から見たとき、

肋骨が前へ出る → 腰の反りが強く見える → お腹も前へ押し出されたように見える

ということがあります。

だから美しい姿勢は、

「胸を張って腰を反ること」ではありません。

胸郭と骨盤が無理なく重なり、その中で呼吸できることも大切です。

03|論文・ガイドラインからわかっていること

姿勢については、「腰椎前弯が大きいから腰痛になる」といった単純な関係では説明できないことが分かっています。

2024年のシステマティックレビューでは、腰痛のある人とない人の脊柱・骨盤姿勢にはいくつかの違いが報告された一方、研究間のばらつきも大きく、姿勢だけで症状を判断することには注意が必要とされています。

また、腰痛に対する運動療法についても、特定の一つの姿勢を「正常」に戻すことだけではなく、筋力・運動コントロール・身体活動などを含めたアプローチが推奨されています。

つまり、

「反っているから悪い」
「骨盤をこの角度にすれば正解」

ではありません。

姿勢はあくまで身体を見るための一つの情報。

その人がどのように動き、どのように呼吸し、どこに負担を感じているのかまで見ることが大切です。

04|理学療法士として私が見るところ

私が「反り腰が気になります」という方を見るとき、腰のカーブだけを見ることはありません。

確認するのは、

骨盤の位置
腰椎のカーブ
胸郭と骨盤の位置関係
股関節の動き
腹部の使い方
呼吸したときの肋骨の動き

などです。

そして大切なのが、

その姿勢が“固定されているのか”ということ。

腰を反ること自体は悪い動きではありません。

私たちの背骨には、本来さまざまな方向へ動く能力があります。

問題になりやすいのは、

「反ることしかできない」
「力を抜いても同じ姿勢から動けない」

というように、身体が選べる動きが少なくなっている場合です。

Freesiaで目指したいのは、

骨盤を無理やり正しい位置に固定することではなく、身体が自然に動ける選択肢を増やすこと。

お腹を力いっぱいへこませなくても、胸を張らなくても、

すっと立てる。

そんな身体の使い方が、美しい姿勢につながると考えています。

05|今日からできるセルフケア

90/90 Breathing|壁を使った呼吸

今回は腹筋運動ではなく、胸郭と骨盤の位置を感じながら呼吸する練習をしてみましょう。

やり方

  1. 仰向けになり、両足を壁につけます。 
  2. 股関節と膝をおよそ90度にします。 
  3. 腰を床へ強く押しつけず、楽な位置を探します。 
  4. 鼻から静かに息を吸います。 
  5. 口からゆっくり長く息を吐きます。 
  6. 吐くときに、下側の肋骨がやさしく内側へ戻っていく感覚を意識します。

3〜5呼吸程度から行ってみてください。

ポイントは、

「お腹を力いっぱいへこませないこと」。

息を吐き切ろうと頑張るのではなく、

胸郭が骨盤の上へ自然に戻ってくる感覚

を探してみましょう。

呼吸が苦しい、痛みやめまいが出る場合は中止してください。

Beauty Anatomy Point

ぽっこりお腹は、腹筋だけの問題ではありません。

お腹の見え方には、

胸郭・腰椎・骨盤・呼吸

など、さまざまな要素が関係します。

だから、

Beautiful posture isn’t about holding your stomach in.

美しい姿勢は、お腹をずっとへこませてつくるものではない。

身体を固めるのではなく、

呼吸しながら、自然に支えられる身体へ。

自分の身体の仕組みを知ることから、
美しい姿勢づくりは始まります。

MAI’s Beauty Anatomy
by Freesia

Beauty from Posture.
姿勢から、自分をもっと好きに。


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