Does Your Pelvis Really Stay “Open” After Childbirth?
MAI’s Beauty Anatomy by Freesia
理学療法士が教える、美しくなる身体の教科書
A Physical Therapist’s Guide to a Beautiful Body
Evidence-Based • Posture • Anatomy • Women’s Health
科学的根拠・姿勢・解剖学・ウィメンズヘルス
01|「産後、骨盤が開いたままだから体型が戻らない」と思っていませんか?
産後によく耳にする、
「出産で骨盤が開いた」
「骨盤を締めないと元に戻らない」
「骨盤が開いているから、お尻が大きく見える」
という言葉。
出産を経験すると、
「妊娠前のパンツがなんとなく合わない」
「お尻や腰まわりのシルエットが変わった」
「立ったときの感覚が以前と違う」
と感じることもあります。
でも、産後の体型変化をすべて
「骨盤が開いたままだから」
と説明するのは少し単純です。
妊娠・出産では骨盤周囲にも変化が起こりますが、産後の身体には、筋肉・関節・姿勢・呼吸・腹壁・骨盤底など、さまざまな変化が重なっています。
今日は「産後の骨盤」を、骨格の仕組みから見てみましょう。
02|身体では何が起きている?
骨盤は「1つの骨」ではありません
骨盤は大きく、
左右の寛骨・仙骨・尾骨
から構成されています。
前側では左右の恥骨が恥骨結合でつながり、後ろ側では寛骨と仙骨が仙腸関節をつくっています。
つまり骨盤は、完全に動かない一枚岩ではありません。
ただし、肩関節や股関節のように大きく動く場所でもなく、通常は小さな動きの中で荷重を受け止める構造です。
妊娠中は骨盤周囲にも変化が起こる
妊娠中は、ホルモンや身体への負荷の変化に伴って、骨盤周囲の関節や靱帯にも変化が生じます。
そして出産時には、赤ちゃんが産道を通るため、骨盤にも適応が起こります。
だから、
「妊娠・出産で骨盤には何も起こらない」
というわけではありません。
一方で、産後ずっと骨盤全体が大きく開いた状態で固定される、と考える必要もありません。
産後は時間の経過とともに身体が回復していきます。
見た目の変化は「骨の幅」だけでは決まらない
産後に
「骨盤が広くなった気がする」
と感じたとしても、見た目にはさまざまな要素が関係します。
たとえば、
腹壁の伸張
骨盤底筋群の状態
臀筋群の働き
股関節の使い方
胸郭と骨盤の位置関係
脂肪組織や皮膚の変化
立ち方・歩き方
などです。
骨盤のシルエットが変わって見えることと、
「骨盤そのものが開いたまま」
であることは、同じではありません。
03|論文・ガイドラインでわかっていること
妊娠中には恥骨結合や仙腸関節周囲に生理的な変化が生じることが知られています。
また、妊娠・産後にみられる骨盤帯痛についても、現在は単純に
「骨盤が緩んでいるから痛い」
「左右の骨盤がズレているから痛い」
と説明するのではなく、身体機能や心理社会的要因を含めて評価する考え方が重視されています。
産後の運動についても、近年のガイドラインでは、回復状態に合わせて段階的に身体活動へ戻ることが推奨されています。
つまり、
産後ケアの目的は「開いた骨盤を力づくで閉じること」ではありません。
その人の回復段階に合わせて、骨盤周囲・体幹・骨盤底を含めた身体機能を整えていくことが大切です。
04|理学療法士として私が見るところ
産後に
「骨盤が開いている気がします」
と相談されたら、私なら骨盤の横幅だけを見ません。
立ったときの胸郭と骨盤の位置。
左右の脚への体重のかけ方。
股関節が動いているか。
お尻の筋肉を使えているか。
呼吸すると胸郭やお腹が動くか。
骨盤底に過度な圧がかかっていないか。
歩く・抱っこする・しゃがむなどの日常動作。
そして、
痛みや尿もれ、下垂感などの症状があるか。
ここまで含めて見ます。
「骨盤を締める」という言葉はわかりやすいですが、
Freesiaで目指したいのは、
骨盤を小さくすることではなく、骨盤を中心に身体全体が心地よく動ける状態。
産後の身体を「歪んでいる」「開いている」と決めつけるのではなく、
今の身体がどのように動いているのか
を丁寧に見ていくことを大切にしたいと思っています。
05|今日からできるセルフケア
Pelvic Rocking
骨盤をやさしく感じるペルビックロッキング
今回は骨盤を「締める」運動ではありません。
骨盤を小さく動かして、自分でコントロールする感覚を取り戻すセルフケアです。
STEP 1|仰向けになる
仰向けになり、両膝を立てます。
足は腰幅程度。
肩・お腹・お尻の力をできるだけ抜き、自然に呼吸します。
STEP 2|骨盤を小さく前後へ動かす
息を吐きながら、腰と床の隙間を少し小さくするように骨盤を傾けます。
次に息を吸いながら、元の位置へ戻します。
大きく動かす必要はありません。
STEP 3|心地よい範囲で繰り返す
5〜10回程度。
「正しい角度」を探すのではなく、
骨盤を自分で動かせる感覚
を味わってみてください。
腰や骨盤周囲に痛みが出る場合は無理に行わないでください。
また産後早期や、出血の増加・強い骨盤痛・骨盤内の下垂感などがある場合は、運動を進める前に医療機関へ相談してください。
Beauty Anatomy Point
産後の骨盤は、単純に「開いた・閉じた」で考えなくていい。
骨盤。
股関節。
腹壁。
骨盤底。
呼吸。
そして日常の動き。
すべてがつながっています。
Your postpartum body needs recovery, not correction.
産後の身体に必要なのは、「矯正」よりも回復。
無理に締めるのではなく、
支えられる。
動ける。
呼吸できる。
そんな身体を少しずつ取り戻していく。
産後の身体を否定するのではなく、今の身体から心地よく動ける身体へ。
それがBeauty Anatomyで考える産後ケアです。
MAI’s Beauty Anatomy
by Freesia
Beauty from Posture.
姿勢から、自分をもっと好きに。


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