Your Pelvic Floor Does More Than Prevent Leakage.
MAI’s Beauty Anatomy by Freesia
理学療法士が教える、美しくなる身体の教科書
A Physical Therapist’s Guide to a Beautiful Body
Evidence-Based • Posture • Anatomy • Women’s Health
科学的根拠・姿勢・解剖学・ウィメンズヘルス
01|骨盤底筋=「尿もれを防ぐ筋肉」だと思っていませんか?
「骨盤底筋」と聞くと、
「産後に鍛える筋肉」
「尿もれ予防のための筋肉」
「とにかく締めればいい」
というイメージを持つ方も多いかもしれません。
もちろん、骨盤底筋は排尿・排便のコントロールに関わる大切な筋肉です。
でも、その役割はそれだけではありません。
骨盤の一番下で内臓を支え、腹圧の変化に対応し、呼吸や体幹の働きとも関わっています。
さらに女性では、性的機能との関連も研究されています。2024年のシステマティックレビューでは、骨盤底筋が女性の性的反応や機能に関与することが示されています。PubMed
つまり骨盤底筋は、
「締めるためだけの筋肉」ではなく、日常生活の中で動き続けている身体の一部。
今日は、普段なかなか目にすることのできない骨盤底筋を、身体全体とのつながりから見ていきます。
02|身体では何が起きている?
骨盤の底には「筋肉のハンモック」がある
骨盤底筋群は、骨盤の一番下にある複数の筋肉の総称です。
代表的なのが、
肛門挙筋群
尾骨筋
など。
骨盤の前方にある恥骨から、後方の尾骨、左右の骨盤へ広がるように存在しています。
その上には膀胱・子宮・直腸などの骨盤内臓器があります。
そのため骨盤底は、単に「尿を止める筋肉」ではなく、骨盤内臓器を下から支える構造の一部でもあります。
「締める」だけではなく「ゆるむ」ことも必要
筋肉というと、鍛えて強くすることに目が向きがちです。
でも骨盤底筋も、ほかの筋肉と同じ。
収縮することと、ゆるむことの両方が必要です。
排尿や排便では、骨盤底筋が適切にゆるむことが必要です。
つまり、
強い=良い骨盤底筋
とは限りません。
実際、2024年のシステマティックレビューでは、骨盤底筋の筋力・持久力・緊張・コントロールなどの機能と、尿失禁の有無や重症度との間に明確な関連が確認できなかったと報告されています。PubMed
症状を見るときには、単純な「筋力」だけではなく、身体全体を評価することが重要です。
呼吸すると、骨盤底も動く
骨盤底筋の上には腹部があり、さらに上には横隔膜があります。
呼吸によって横隔膜が動くと、腹腔内の圧力も変化します。
その変化に合わせて骨盤底も動きます。
一般的には、息を吸うと横隔膜が下降し、骨盤底も下方へ動きやすくなります。
息を吐くと横隔膜が上がり、骨盤底も上方へ戻る方向へ動きます。
ただし、
「呼吸をすれば骨盤底筋が鍛えられる」わけではありません。
2023年のシステマティックレビューでは、尿失禁や骨盤臓器脱に対して、呼吸エクササイズだけを行うよりも骨盤底筋トレーニングの方が骨盤底筋機能や症状の改善に有効であり、呼吸法を追加する明確な上乗せ効果も確認されませんでした。PubMed
呼吸は「トレーニングの代わり」というより、
骨盤底が身体の中でどのように動いているかを知る入口
として考えるとわかりやすいと思います。
03|論文・ガイドラインでわかっていること
骨盤底筋トレーニングは、尿失禁などの骨盤底機能障害に対する代表的な保存的アプローチとして研究されています。
一方で、
「骨盤底筋を鍛えれば、すべての骨盤底の悩みが改善する」
とまでは言えません。
2024年のレビューでは、尿失禁の有無と骨盤底筋機能との単純な関連は確認できず、骨盤底だけに注目しない生物・心理・社会的な評価の必要性が指摘されています。PubMed
また呼吸法についても、骨盤底筋トレーニングの代替として十分な根拠があるわけではありません。PubMed
つまり現在の研究から大切だと考えられるのは、
「とにかく締める」ではなく、その人の症状・筋機能・呼吸・動作などを見ながら必要な方法を選ぶこと。
骨盤底筋も、身体全体の中で考えていく必要があります。
04|理学療法士として私が見るところ
私が骨盤底筋を考えるとき、
「弱いから鍛えましょう」
だけでは見ません。
呼吸するときにお腹や胸郭が動いているか。
息を止める癖がないか。
立つ・しゃがむ・物を持つときに過度に力んでいないか。
腹部や臀部だけを強く締めていないか。
骨盤底を収縮させたあと、力を抜くことができるか。
そして、
尿もれ・排尿排便・骨盤周囲の痛みなど、その人が実際に何に困っているのか。
ここを大切にします。
骨盤底筋は、
「いつも締めておくコルセット」ではありません。
締まる。
ゆるむ。
腹圧に対応する。
呼吸とともに動く。
Freesiaでは、骨盤底だけを切り離して考えるのではなく、
呼吸・姿勢・腹部・股関節まで含めた身体全体のつながり
から見ていきたいと考えています。
05|今日からできるセルフケア
Pelvic Floor Breathing
骨盤底の「ゆるむ・戻る」を感じる呼吸
今日は「締める練習」ではありません。
まずは、骨盤底も呼吸と一緒に動いていることを感じる練習です。
STEP 1|楽な姿勢になる
仰向けになり、両膝を立てます。
お腹・お尻・内ももの力をできるだけ抜きます。
STEP 2|静かに息を吸う
鼻からゆっくり息を吸います。
下腹部や肋骨がやさしく広がるのと一緒に、
骨盤の底も少し下へ広がる
ようなイメージを持ちます。
強く押し下げる必要はありません。
STEP 3|静かに吐く
ゆっくり息を吐きます。
骨盤底が自然に元の位置へ戻っていく感覚を探します。
このときも、
「ギュッ」と強く締めなくて大丈夫です。
5呼吸程度。
まずは、
「締められるか」より「力を抜けるか」。
呼吸とともに身体の底まで動いていることを感じてみてください。
※尿もれ、骨盤臓器脱感、排尿・排便の問題、骨盤周囲の痛みなどがある場合は、セルフケアだけで判断せず、医療機関や骨盤底に詳しい専門職への相談も選択肢になります。
Beauty Anatomy Point
骨盤底筋は、尿もれのためだけの筋肉ではありません。
内臓を支える。
腹圧に対応する。
呼吸とともに動く。
そして、締まるだけではなく、ゆるむ。
Your pelvic floor is part of your whole body.
骨盤底は、身体全体の一部。
強く締め続けるのではなく、
締まる。
ゆるむ。
支える。
そして動ける。
そんなしなやかな骨盤底を育てていきましょう。
MAI’s Beauty Anatomy
by Freesia
Beauty from Posture.
姿勢から、自分をもっと好きに。



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