下腹がぽっこりするのは、脂肪だけのせい?|MAI’s Beauty Anatomy #11

BEAUTY ANATOMY

下腹がぽっこりするのは、脂肪だけのせい?

Lower Belly Pooch: Is It Just Body Fat?

MAI’s Beauty Anatomy by Freesia

理学療法士が教える、美しくなる身体の教科書
A Physical Therapist’s Guide to a Beautiful Body

Evidence-Based • Posture • Anatomy • Women’s Health
科学的根拠・姿勢・解剖学・ウィメンズヘルス

01|体重は変わっていないのに、下腹だけ気になる。

鏡を見たとき、

「下腹だけぽっこりして見える」
「腹筋をしても、なかなか変わらない」
「立ったときだけお腹が前に出る」

そんなことはありませんか?

もちろん、お腹の見え方には体脂肪も関係します。

でも、それだけではありません。

同じ身体でも、胸郭や骨盤の位置、腹部の力の入り方、呼吸によって、お腹のシルエットは変化します。

だから、

「下腹が出ている=脂肪が多い」

と決めつける必要はありません。

今日は体重ではなく、身体の内側から下腹を見てみましょう。

02|身体では何が起きている?

お腹には、表面にある腹直筋だけではなく、

腹横筋、内腹斜筋、外腹斜筋

など、何層もの筋肉があります。

さらに上には横隔膜、下には骨盤底筋群があります。

これらは別々に存在しているのではなく、呼吸や動作に合わせながら体幹を支えています。

胸郭と骨盤の位置

たとえば胸郭が骨盤より大きく前へ移動したり、腰を強く反ったりすると、お腹の前側が伸ばされ、下腹が前へ出て見えることがあります。

反対に、お腹を常に強くへこませていれば美しい、というわけでもありません。

腹部には内臓があり、呼吸をすれば動きます。

お腹は本来、まったく動かない場所ではありません。

呼吸すると、腹筋も働いている

呼吸の主役は横隔膜ですが、腹筋群も呼吸と無関係ではありません。

健康な成人98名を対象にした研究では、異なる呼吸方法を行った際、安静時と比べて腹横筋と内腹斜筋の筋厚が増加しました。呼吸の仕方によって腹筋の反応が異なることも示されています。Sage Journals

つまり、

「お腹を鍛える=腹筋運動だけ」ではない

ということ。

呼吸しながら体幹をコントロールすることも、腹部の機能を考えるうえで大切です。

03|論文・ガイドラインでわかっていること

下腹部の見た目には、脂肪量だけでなく、身体の構造、姿勢、腹壁の状態など複数の要素が関係します。

そのため、

特定の腹筋運動だけで下腹の脂肪だけを狙って落とす

という考え方はおすすめできません。

体脂肪や健康という視点では、身体全体を動かすことが基本です。

WHOは成人に対し、週150〜300分の中強度有酸素運動、またはそれに相当する身体活動に加え、主要な筋群を使った筋力トレーニングを週2日以上行うことを推奨しています。世界保健機関

つまり下腹が気になるときも、

「腹筋を何百回するか」だけではなく、日常の活動量・全身の筋力・呼吸・身体の使い方を含めて考えること

が大切です。

04|理学療法士として私が見るところ

私が「下腹が気になる」という方を見るとき、最初から

「腹筋が弱いですね」

とは判断しません。

見るのは、

胸郭と骨盤がどんな位置関係にあるか。

腰を反らせて立っていないか。

骨盤を前後へ動かせるか。

呼吸したとき、胸郭とお腹が自然に動くか。

息を吐いたとき、腹部が自然に働くか。

そして、

お腹を力いっぱいへこませなくても身体を支えられるか。

ここを大切にしています。

美容整体でも、「お腹だけ」を見るのではなく、

胸郭・背骨・骨盤・股関節まで含めて全身を見る。

体重を変えなくても、立ち方や身体の使い方によってシルエットの印象が変わることはあります。

ただし、それを「この姿勢なら下腹が消える」と断定することもできません。

目指したいのは、

お腹を隠す身体ではなく、呼吸しながら自然に支えられる身体。

それがFreesiaで考える、美しい体幹です。

05|今日からできるセルフケア

90/90 Breathing

脚を預けて行う90/90呼吸

今回は、お腹を強くへこませるトレーニングではありません。

胸郭と骨盤の間で、呼吸と腹部の動きを感じる練習です。

STEP 1|脚を椅子に預ける

仰向けになり、ふくらはぎを椅子やソファに乗せます。

股関節と膝がおおよそ90°になる位置を目安にします。

腰を床へ強く押しつけず、まず力を抜きます。

STEP 2|肋骨へ静かに息を吸う

鼻からゆっくり息を吸います。

胸の上だけではなく、

肋骨の横や背中側にも空気が入るような感覚

を探します。

お腹を無理に膨らませる必要はありません。

STEP 3|長く吐いて戻る

口から「ふーっ」と静かに息を吐きます。

吐くにつれて肋骨が自然に内側へ戻り、下腹部にもやさしく力が入る感覚を探します。

お腹を強くへこませたり、息を最後まで絞り切ったりする必要はありません。

5呼吸程度。

「締める」より呼吸に合わせて身体が自然に動くこと

を感じてみてください。

Beauty Anatomy Point

下腹の見え方は、脂肪だけでは決まりません。

上には横隔膜。

周りには腹筋群。

下には骨盤。

そして、そのすべてが呼吸や姿勢とともに動いています。

Your abdomen is designed to move and breathe.

お腹は、呼吸し、動くためにある。

ずっとへこませなくていい。

ずっと力を入れなくていい。

必要なときに支えられて、
必要なときにはゆるめられる。

そんなしなやかな体幹が、自然なボディラインにつながっていきます。

MAI’s Beauty Anatomy
by Freesia

Beauty from Posture.
姿勢から、自分をもっと好きに。


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