お腹をへこませ続けると、きれいな姿勢になる?|MAI’s Beauty Anatomy #12

BEAUTY ANATOMY

お腹をへこませ続けると、きれいな姿勢になる?

Should You Keep Your Stomach Pulled In for Better Posture?

MAI’s Beauty Anatomy by Freesia

理学療法士が教える、美しくなる身体の教科書
A Physical Therapist’s Guide to a Beautiful Body

Evidence-Based • Posture • Anatomy • Women’s Health
科学的根拠・姿勢・解剖学・ウィメンズヘルス

01|「お腹に力を入れて」と言われると、ずっとへこませていませんか?

姿勢を良くしようとすると、

「お腹をへこませなきゃ」
「腹筋に力を入れておこう」
「下腹を出さないようにしよう」

と、お腹をずっと引き込んでいる方がいます。

確かに、お腹を引き込む**Abdominal Drawing-in Maneuver(ADIM)**は、理学療法でも使われる運動のひとつです。

ただし、

「トレーニングとしてお腹を引き込むこと」と「一日中お腹をへこませ続けること」は別です。

美しい姿勢のために、24時間お腹を固めておく必要はありません。

02|身体では何が起きている?

お腹の深い部分には腹横筋があります。

腹横筋は腹部を横方向に包むように走り、内腹斜筋・外腹斜筋・腹直筋などとともに体幹のコントロールに関わっています。

さらに体幹では、

横隔膜・腹筋群・多裂筋・骨盤底筋群

などが協調して働きます。

つまり「体幹を支える」という仕事は、一つの筋肉だけが担当しているわけではありません。

お腹を引き込む「ドローイン」

おへそを背骨へ近づけるように、腹部をやさしく引き込む方法をドローイン/腹部引き込み運動と呼びます。

研究では、この方法によって腹横筋の活動や筋厚が増加することが確認されています。PubMed

お腹全体を支える「ブレーシング」

一方、腹部をへこませるというより、お腹の周囲を適度に支えるように腹筋群を協調させる方法がブレーシングです。

ドローインとブレーシングはどちらか一方が常に正解なのではなく、目的によって使い分ける方法です。

2024年のレビューでも、両方に体幹機能を改善する可能性が報告される一方、どちらが一貫して優れているかを判断する直接比較の研究はまだ十分ではありません。

03|論文・ガイドラインでわかっていること

ドローインは、腹横筋を意識して働かせる練習として有用な方法のひとつです。

2025年のレビューでも、ADIMによる腹横筋の活性化が報告されています。ただし、そこで重要なのは自然な呼吸を保ちながら行うことです。PubMed

また、体幹の安定性は腹横筋だけではなく、腹斜筋群や多裂筋など複数の筋肉の協調によって生まれます。PubMed

そのため、

「腹横筋が大切」=「日常生活でずっとお腹をへこませておく」

とは言えません。

運動として意識的に筋肉を働かせる時間と、日常生活で自然に呼吸しながら身体を動かす時間。

その両方があってよいのです。

04|理学療法士として私が見るところ

私が姿勢を見るとき、

「もっとお腹に力を入れてください」

だけで終わらせることはありません。

見るのは、

息を吸ったときに胸郭が広がるか。

息を吐いたときに肋骨が自然に戻るか。

お腹を固めなくても立てるか。

動作に合わせて必要なときだけ体幹を支えられるか。

そして、

力を入れることと、抜くことの両方ができるか。

ここを大切にしています。

体幹は「ずっと硬いコルセット」である必要はありません。

歩くとき。
物を持つとき。
踊るとき。
ゆっくり休むとき。

必要な安定性は、その瞬間ごとに変わります。

Freesiaで目指したいのは、

お腹を固めてつくる姿勢ではなく、呼吸しながら自然に支えられる姿勢。

「力を入れ続ける」のではなく、

必要なときに使えて、必要のないときにはゆるめられる。

そんな身体が、しなやかなボディラインにつながると考えています。

05|今日からできるセルフケア

Exhale & Release

吐いて、ゆるめる呼吸

今回は「お腹を鍛える」のではなく、力を入れる・抜くを感じ分ける練習です。

STEP 1|お腹の力を抜く

仰向けになり、膝を立てます。

両手を下部肋骨〜お腹に軽く添え、まずはお腹をへこませようとせずに自然に呼吸します。

STEP 2|ゆっくり吐く

口から細く長く息を吐きます。

吐くにつれて肋骨が内側へ戻り、お腹にも自然に力が入る感覚を感じます。

強くへこませる必要はありません。

STEP 3|吸って広がる

次の息では、力をゆるめます。

鼻から静かに吸い、肋骨やお腹がやさしく広がる感覚を感じます。

5呼吸程度。

「ずっと締める」ではなく、

支える → ゆるめる → また支える

という変化を感じてみてください。

Beauty Anatomy Point

体幹は、固め続けるためのものではありません。

横隔膜が動く。

肋骨が広がる。

腹筋が働く。

そして、またゆるむ。

A beautiful core can support — and release.

美しい体幹は、支えることも、ゆるめることもできる。

お腹をずっとへこませなくていい。

必要なときに働き、
必要のないときには呼吸できる。

そんなしなやかな体幹を育てていきましょう。

MAI’s Beauty Anatomy
by Freesia

Beauty from Posture.
姿勢から、自分をもっと好きに。

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